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婚姻

2024.01.27

結納とは、両家が結びつくお祝いの儀式。マナーや方法、費用相場をチェック

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結納とは正式に婚約を調えるための儀式。両家が結び付くために共同で行われます。結納には、さまざまな方法やマナーがあるため、結納をスムーズにおこなうためにも、それらをあらかじめ把握しておくことが大切です。本記事では、結納の意味や方法、必要な費用などについて解説します。

結納とは?結納の意味と方法

結納とはどのような内容なのでしょうか。その意味と方法について解説します。

結納とは婚約が成立する儀式

結納とは、パートナー同士での婚約を両家に確認してもらった上で成立する、日本の伝統的な儀式。マナーや決まりに乗っ取って執り行われます。

結納の方法は関東・関西で異なる

結納の方法は関東と関西で異なります。以下の考え方が一般的に多いものの、実施前に両家の親に確認しておくのが無難でしょう。

①関東式:結納品は関東式9品目+結納金を用意し、男性側・女性側の双方が結納品を交わします。※つまり「女性から男性への結納品・結納金=結納返し品」という認識もできます。

②関西式:結納品は関西式7品目+結納金。を用意し、男性側だけが女性側に納めます。女性から男性への結納品・結納金という概念は存在せず、代わりに女性から男性へ結納のお返しとして女性から男性へ贈る「結納返し」という概念が存在します。

関東式と関西式では目録の名前が違うものがあるので、注意しましょう。
なお、最近では結納品の品目を減らすケースもみられますが、その場合も7・5・3と奇数でそろえるのが一般的です。

正式結納と略式結納の2種類がある

関東式でも関西式でも、結納には仲人が両家を行き来して結納品などのやり取りをする「正式結納」と、結納当日にその場でやり取りする「略式結納」の2種類があります。

①正式結納
伝統的なスタイルで、仲人が新郎新婦の両家を行き来し結納を交わします。仲人が男性側から結納品を預かり、それを女性側へ届けます。女性側は結納品を持ってきた仲人をもてなし、男性側への受書や結納品などを仲人に届けてもらうという流れです。

②略式結納
料亭やレストランなど、場所を借りて行うケースが多いです。場所によっては「結納プラン」などが用意されているところもあります。両家が顔を合わせたうえで、結納当日に結納品のやり取りをします。仲人が間に入る場合と、仲人を立てずに両家だけでおこなわれる場合とがあります。

その他、結納を行わずに顔合わせのみを行うパターンもあります。この場合、結納品は用意せず、新郎新婦の両家が顔合わせすることで結納に代えます。このパターンでは食事会を行い、記念品の取り交わしにとどめるパターンが多いでしょう。

「略式結納」の流れや費用

ここでは、略式結納についての方法や当日の流れ、費用などを詳しく解説していきます。地域によって異なる部分もあるため、以下を参考にしながら自身の地域の方法などを調べてみてもいいかもしれません。

略式結納とは

両家が顔を合わせた上で、結納当日に結納品のやり取りをするのが略式結納の特徴です。仲人が間に入って行われる場合と、仲人を立てずに両家だけで行われる場合とがあります。

結納は料亭やレストランなど、場所を借りて行うことが多いようです。施設によっては「結納プラン」などが用意されているところもあります。

略式結納の基本的な流れ

結納を行う前には、あらかじめ部屋に結納品を飾っておくなどの準備が必要です。準備が整ったら、男性側の次に女性側が入室し、全員が揃った段階でいよいよ結納の儀式が開始します。

まず始めに結納を贈る側が挨拶をして目録を渡し、相手側はそれを確認してから受書を返します。その後、婚約する本人同士が婚約指輪などを披露するパターンもあるようです。儀式の間は挨拶や口上以外はあまり口にしないようにしましょう。

結納にかかる時間は20分程度と短めです。両家の親睦を深めるため、儀式終了後に写真撮影や食事会などの機会を設けても良いかもしれません。

用意する結納品とその意味

結納品とは、婚約の「しるし」として受け渡しをする品物のこと。

結納品として代表的な物には、目録(もくろく)・熨斗(のし)・勝男武士(かつおぶし)・寿留女(するめ)・子生婦(こんぶ)・友白髪(ともしらが)・末広(すえひろ)・家内喜多留料(やなぎだるりょう)・御帯料(おんおびりょう)・結美和(ゆびわ)が挙げられます。

前述したように、それぞれの品には長寿や子孫繁栄などのいろいろな意味が込められていますが、地域によって品物の数や呼び方、内容も変わりますので注意が必要です。

略式結納にかかる費用

略式結納の場合、食事を含めた結納式の費用は、全国平均で20.6万円というデータが出ています。

さらに、結納金や結納品の購入にも費用がかかります。全国的に結納金・結納品の有無を見ると、90.5%のカップルが結納金・結納品の両方、もしくは結納金のみがあったと回答しています。

結納金の全国平均は97.3万円です。結納品の購入費用は、地域によって品数や内容が異なるために地域差が大きいですが、全国平均すると28.6万円です。

※出典:「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023」調べ

結納のメリット

ふたりが結婚するにあたり、結納にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、結納の必要性やメリットについて紹介します。

婚約が正式なものとなる

ふたりの間で交わした婚約を正式なものとして認めてもらえるのが結納です。両家が揃った中で、改めて結婚の約束を交わすことによって結婚に対するけじめを付けられ、またお互いの気が引き締まります。

両家の結びつきが深まる

結婚する当人達はお互いのことをよく知っているとしても、双方の家族が顔を合わせる機会はあまりないので、お互いを詳しく知っているケースは少ないかもしれません。

結納で両家が顔を合わせれば、相手側の家族がどのような人柄かなどを理解でき、それによって両家の絆が深まることにつながります。

また、結納の後の団欒などで思い出話に花が咲けば、パートナーの幼少期のことなど、自分が知らない相手の一面を聞ける場合もあるかもしれません。

日本の伝統的な儀式を体験できる

日本には伝統的な文化が多くありますが、結納もその1つ。結納は日本の伝統を実際に肌で感じられる貴重な機会ですから、ふたりの思い出としても心に残るでしょう。

結納で気を付けたいマナー

結納には気を付けたいマナーがあります。おめでたい場なのでマナーをしっかり守り、失礼のないようにしましょう。

両家で格差が出ない服装にする

一般的な服装は、男性であれば、ダークスーツかブラックスーツです。女性は、振袖・訪問着などの着物、ドレッシーなワンピースなどと選択肢が多いですが、いずれにしてもフォーマルな服を選ぶことがポイントです。また、結納の場所がお座敷であれば正座をすることがあります。女性の場合、洋装であれば正座しても膝が隠れるくらいのワンピースを選んでください。

大切なのは、両家の服装に格差が出ないようにすることです。服装について、事前に両家で打ち合わせておきましょう。

手土産の品と包み方に留意する

相手側に渡す手土産は、「切れる」などが連想されるような物や日持ちのしない品物はふさわしくありません。例えば、羊羹(ようかん)を渡す場合は、1本まるまるの物は避け、個包装にされている物が望ましいです。

また、手土産を風呂敷に包んで持っていく際は、風呂敷を結ばないようにしましょう。出す時に結び目をほどかなければならず、それが「別れ」を連想させるためです。袱紗(ふくさ)と同様、風呂敷を折り畳むようにして手土産を包みましょう。

忌み言葉に注意する

話をする際には、忌み言葉を使わないように気を付けます。忌み言葉には、別れを連想させる「別れる・帰る・切れる」や物事が二度起きることを連想させる「たびたび・重ね重ね・くれぐれも」などがあります。

忌み言葉は縁起が良くないとされ、結納の席にはふさわしくありません。ただし、神経質になりすぎるとあまり会話がはずまないので、「ネガティブな発言はしない」程度に考えておくのも良いでしょう。

結納返しとは

結納では、結納返しをするのが一般的です。ここでは、結納返しの意味やそれにかかる費用を見ていきましょう。

結納品に対するお返しの儀式

結納返しは、決められた品一式とお金を贈ることが一般的です。結納が関東・関西で異なるように、結納返しに関する考え方も、地域によって異なることが多いです。結納返しの知識不足によって相手の家に失礼にあたることをしてしまわないよう、事前にきちんと親に確認をしましょう。

考え方の違いには以下のようなパターンがあります。

<結納返しをするかしないか>
・関東式は双方が結納品を交わすため、さらに結納返しはしないという考え方
・関西式では女性から男性は結納品を贈らないため、代わりに結納返しを行うという考え方

<返す品物・金額>
・関東式の結納返しの定義:半返しといい半分程度を返すという考え方
・関西式の結納返しの定義:1割程度を返す、もしくは返さないという考え方

結納返しについては、こちらの記事もチェックしてください。

結納とは何かを知り、結婚に向けて両家の結びつきを深めよう

結納は、結婚に向けて両家の絆が深まる大切な儀式の一つであり、その方法は地域などによりさまざまです。取り決めやマナーなどを知った上で、自分達に合った結納の形を選びましょう。

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